71年度の医学部の予算の中に脳神経外科学講座の新設が認められた.ところが第二外科学講座の教授が,周知の如く,まだ決定せずこの憂慮すべき事態を解決する方法として「教授選考に関する特別委員会」が連絡会議の構成階層から2名ずつの委員を出して昨年6月発足し,真剣な討議を重ねている.しかし,まだ結論を出す段階には至っていない.一方教授会は昨年10月「脳神経外科学講座発足のための特別委員会」を作り,検討して来たが,結論を出すには至らず,一時は本講座の発足をあきらめねばならぬかと思われる時機もあったが本年1月,本委員会は「脳神経外科講座設立準備委員会を作り,教授選考方式を3月中に決める.ただし,タイムリミットがあるので講師を選考して発足のための活動を開始する」という内容の答申を行い,教授会はこれを承認した.この決定は,ある意味で特別委員会の任務を無視するもので各階層からの強い反対があったにも拘らず,新設講座を年度内に発足させられないという事態になれば,医学部の自治能力の無能さを指摘され,今後の講座新設に支障を来たすこと,および新設講座であるため,既設講座の教授欠員の場合とは別枠で考えて良いという理由で教授会はこれを承認した.現実には講座発足は専任講師1名をもっても可能であり,設立準備委員会は,公募の結果,第二外科山口和郎講師を専任講座として答申し,教授会はこれを承認した.

昭和47年4月5日 供進会ニュース より抜粋
TOP